【FUJIFILM vs Canonのグリーン再現】小山壯二の「新緑」の色を考察 オリジナルピクチャースタイルの配布あり
4月の山は眩い新緑が美しく、木々の緑も微妙な変化に満ちています。
毎年のように感じるのですが、「微妙な緑の変化を美しく捉えるカメラは?、その設定は?何だろう」と感じていましたが、実際に詳細なテストはしたことがありませんでした。
そこで今回は、新緑に強そうな(勝手な思い込みです)FUJIFILM X-E4とEOS R5を携えて様々にテスト撮影をしてみました。
下の方でオリジナルピクチャースタイルのダウンロードアドレスを書いておきます。
2台で大体同じ画角になるように被写体を切り取り、同じ色温度設定で標準的な色設定を行ったサンプルが以下の通りです。
同じ色温度で撮影しても機種によってこれほどの違いが生まれます。
同じような色彩になるように色温度で調整してみました。
あくまで緑の再現性を基準にした場合、色温度にして900K(ケルビン)も異なっています。FUJIFILMのカメラが緑再現に強いと勝手に思い込んだ原因のひとつがここにありそうです。さらに画像をチェックしてゆくと階調でも大きく異なる点があります。Canonはハイライトがクッキリとして色のりは弱く感じますが、FUJIFILMは色のりが良く逆にハイライトの描写が弱いので、ややベッタリと塗りつぶしたようです。木々毎の立体感が弱いので分離が甘い印象です。
ただ、この時点でどっちが好きかと聞かれれば間違いなく私はFUJIFILMの色が好きです。しかし、Canonにはピクチャースタイルエディターという、色彩をユーザーが操れる強力なツールが存在します。
以下は私の作ったオリジナルピクチャースタイルの画像です。
木々毎の色彩の差を明確に表現しつつ、しっかりとした立体感でリアリティーのある表現と思います。
このオリジナルピクチャースタイルは、黄緑を鮮やかにし、濃い彩度の低い緑を少し明るく青く鮮やかに、空の青を濃く鮮やかに変更しています。ベースのピクチャースタイルはスタンダードです。さらに彩度を好みで調整すれば、先ほどのFUJIFILM X-E4よりも新緑再現に適した色彩と私は判断します。
オリジナルピクチャースタイルファイル「新緑」は以下のアドレスで入手出来ます。
個人での使用はご自由にお使い下さい。再配布の時は御一報下さい。
オリジナルピクチャースタイル「新緑」のダウンロードは下記から。
https://www.dropbox.com/sh/0h68wv5wve3r3d4/AADvg6vj0AARu2RSEuoe5ulma?dl=0
新緑撮影で重要なこと
1)WBを後から調整出来るようにRAW撮影が必須
どのメーカーのカメラであれ、黄緑の新緑と濃い緑の常緑樹の再現には微妙なWB補正が必須です。色温度で100Kごとのトライアンドエラーが必須と思います。
2)黄緑の再現と微妙な色差にも注目すべし
新緑は木々によって、光の当たり方のよって、緑より黄色に近い場合もあります。また、太陽光の直射があるかないかや、明暗で大きく印象が変わります。その色差がハッキリ分離できていることは必須条件でしょう。
※この記事は「株式会社 PROTEC(http://www.protec-it.co.jp/)」からの提供で転載しております。株式会社PROTECのブログには、専門的な知識によって掲載された井同じカテゴリーの記事が多数掲載されておりますので、ぜひそちらもご覧ください。
小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する広告カメラマン。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近は語られなくなっているデジタルフォトの基礎など、深掘り小山壯二として使命を感じて活動。
写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。
小山壯二のカメラの“!?”「Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMはEOS R5で使えるか」
Canon EOS R5で4億画素を検証してみた