地鎮祭をやるんだ!? 「北海道スペースポート」人工衛星用ロケット発射場・滑走路延伸着工【千歳のこれ試してみたい】

地鎮祭をやるんだ!? 「北海道スペースポート」人工衛星用ロケット発射場・滑走路延伸着工【千歳のこれ試してみたい】

2022年9月7日(水)、北海道大樹町で商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」の人工衛星用ロケット発射場「Launch Complex-1(LC-1)」と、滑走路延伸整備に向けた安全祈願祭と着工セレモニーを開催したというプレスリリース。

ちょっと驚いたのが地鎮祭をやるんですな。
科学とオカルトが高度に入り交じった世界、我々はまさにアニメの世界に生きていますね。

以下、プレスリリースより。

北海道スペースポート、宇宙版シリコンバレー実現へ前進人工衛星用ロケット発射場、滑走路延伸着工

北海道大樹町(町長 酒森正人)とSPACE COTAN株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町、代表取締役社長兼CEO 小田切義憲)は2022年9月7日(水)、北海道大樹町で商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」の人工衛星用ロケット発射場「Launch Complex-1(LC-1)」と、滑走路延伸整備に向けた安全祈願祭と着工セレモニーを開催致しました。内閣府和田義明副大臣、地元選出の国会議員のほか、鈴木直道北海道知事やとかち航空宇宙産業基地誘致期成会の米沢則寿会長(北海道帯広市長)、HOSPOの支援企業や地元関係者など約170人を来賓として迎え、着工を祝うとともに、北海道への宇宙関連産業集積の中核となる宇宙港の滞りない建設と工事の安全を祈念しました。

アジアの拠点宇宙港へ 完成後は複数事業者が利用予定

HOSPOは、日本・北海道に航空宇宙産業が集積する「宇宙版シリコンバレー」の創造を目指し、国内外の民間企業等を対象としたロケット発射場やスペースプレーンの発射場・実験場を整備し、航空宇宙産業のインフラとして打上げ支援を行います。すでにHOSPOでは民間のロケット打上げ等が行われていますが、今回新たにLC-1建設と滑走路300m延伸を行い、宇宙港設備を充実させます。
今回の詳細設計、土木工事は日本工営株式会社、株式会社黒川紀章建築都市設計事務所、清水建設株式会社、宮坂建設工業株式会社による特定建設工事共同企業体が実施します。
LC-1は現在稼働しているロケット発射場「Launch Complex-0(LC-0)」の隣の敷地約26,800㎡に建設され、ロケットの組立棟や、燃料等の供給プラント等を備えます。2023年度内に完成し、インターステラテクノロジズ(本社:北海道広尾郡大樹町、代表取締役社長:稲川貴大)など国内外の事業者による人工衛星用ロケットの打上げを予定しています。滑走路の延伸も2024年度に完了し、サブオービタルスペースプレーンのほか、空飛ぶ車やドローンなどの次世代エアモビリティの実験等に使われます。
今後、アジアにおけるハブ宇宙港を目指し、国内外から多くのロケット打上げ事業者を受け入れるため、2025年度には高頻度の打上げに対応するための発射場「Launch Complex-2(LC-2)」の整備を計画しています。また、多様な打上げ需要に応えるためにLC-2以降も継続的な発射場整備や、P2P輸送(高速2地点間輸送)用の3,000m滑走路新設により、垂直型・水平型・気球等に対応した複合型宇宙港へと機能を発展させるほか、宇宙産業による地方創生や各産業の競争力強化など国の発展に貢献したいと考えております。

2023年度完成予定の人工衛星用ロケット発射場「LC-1」の完成イメージ図。右の扇型の土地が、既に稼働している観測ロケット用の発射場「Launch Complex-0(LC-0)」で、民間宇宙ベンチャーのインターステラテクノロジズが観測ロケットMOMOの打上げを実施し、宇宙空間到達に成功している。LC-1は、LC-0の隣に建設される予定。

代表コメント 大樹町長  酒森 正人

北海道スペースポートを核とした宇宙版シリコンバレー形成という趣旨に賛同いただいた国、関係機関、企業の多大なるご支援の下、新たなロケット発射場と滑走路延伸の安全祈願祭、着工セレモニーを迎えることができました。2023年度に完成するロケット発射場を核に、約40年続けてきた大樹町の宇宙のまちづくりをより一層進展させ、宇宙による地方創生を進めてまいります。

SPACE COTAN株式会社 代表取締役社長兼CEO 小田切 義憲

新たなロケット発射場と滑走路延伸の安全祈願祭、着工セレモニーを迎え、嬉しく思います。2023年度中には北海道、大樹町で小型人工衛星の打上げが始まり、北海道スペースポートは、本格的な宇宙港として新たな一歩を踏み出します。今後、国内外のロケット打上げ事業者を誘致し、宇宙関連産業の集積を図り北海道の活性化を進め、さらには国の発展に貢献していきます。

《参考資料》

宇宙は次の成長産業 ロケット発射場不足が宇宙産業発展のネック

近年、世界ではSpace Xをはじめとした宇宙ベンチャーが活躍し、宇宙ビジネスへの注目が高まっています。世界の宇宙市場は年々拡大しており、2040年には今の3倍近い110兆円を超える巨大市場に成長すると予測されています。特に人工衛星による宇宙利用が進み、衛星を使ったインターネット通信の普及、衛星データの活用による自動化や省力化の進展など、幅広い分野への波及効果が期待されています。人工衛星をはじめモノや人を宇宙に運ぶためのロケットやスペースプレーン等の需要が高まっているものの、それらを打上げるための専用設備が整った宇宙港(スペースポート)が足りておらず、宇宙産業成長のボトルネックとなっています。世界中では60ヶ所以上もの宇宙港建設の計画が進む宇宙港建設ラッシュが始まっています。
また、人工衛星やロケットが生活に欠かせない新たなインフラとなると、故障や途絶が起きれば仕事や生活に大きな支障をきたします。こうした事態に備えて世界各国は自国で自由に人工衛星を打ち上げられる能力を持とうと宇宙関連産業育成に力を入れています。また、国内でも経済安全保障を確保するために自国で人工衛星を作る能力、衛星を宇宙に届けるロケット、ロケットを打ち上げる宇宙港の3つの獲得を目指しています。

世界トップクラス ロケット発射場の適地、北海道大樹町 宇宙港整備で北海道、国の経済発展に貢献

日本はロケットを打上げる東、南に太平洋が広がり、飛翔経路に人家や他国がないため宇宙港の整備に適しています。なかでも北海道大樹町は、広大な土地があり宇宙港の拡張性が高いこと、空路や海路が混み合っていないこと、晴天率が高く良好な気象条件やアクセスの良さなど世界的にもトップクラスの宇宙港に適した土地です。
さらに約40年前から宇宙産業誘致を進め、国内の内之浦・種子島につぐ第3のロケット発射場としての実績を持っています。北海道大樹町だけでなく北海道、北海道経済連合会など多くの関係者がHOSPOを支援するなど、オール北海道で推進する体制が構築され、HOSPOは2021年4月に本格稼働し、新たなロケット発射場の整備に向けて取り組みを進めてきました。
北海道大樹町やSPACE COTANは、北海道の産官学をはじめ、国や趣旨に賛同いただいた事業者のサポートのもと、大樹町の優位性を生かし、国内外の事業者が利用しやすい宇宙港の整備を段階的に進めていきます。宇宙港を核として企業誘致や雇用増加、一次・二次・三次産業とのシナジー、観光、教育といったビジネス創出による地方創生を推進し、北海道や日本の経済成長につなげます。

LC-1と滑走路延伸の整備費は総額23億2000万円 地方創生交付金、企業版ふるさと納税を活用

LC-1と滑走路延伸の費用は総額23億2000万円です。半分の11億6000万円は、2022年3月に採択された内閣府の地方創生拠点整備交付金、残りの半分は企業版ふるさと納税制度による寄附金を充てます。これまで宇宙版シリコンバレー創出による地方創生に賛同いただいた道内外の88社から、8億2210万円の寄付をいただきました。今後もさらなる整備のためにふるさと納税(企業版・個人版)の募集を進めてまいります。

航空宇宙産業の集積で地域活性化の兆し 止まる人口減少、シャッター商店街で相次ぐ新規開店

HOSPOにはロケットベンチャーの他に、人工衛星用の地上局サービスを提供する株式会社インフォステラ(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO 倉原直美)が旧小学校跡地で地上局を建設、室蘭工業大学(所在:北海道室蘭市、大学長 空閑 良壽)がサテライトオフィスを開設するなど産業集積が始まっています。ロケット発射場の整備費用に企業版ふるさと納税や国の地方創生拠点整備交付金を活用することで都市部から地方へのお金の流れを、また地域活性化企業人制度や地域おこし協力隊制度を活用した人の流れも生み出しています。インターステラテクノロジズの組織拡大で若年層の転入が増加し、約60年減少していた町の人口が下げ止まりの傾向を見せております。町内には北海道内大手ドラッグストアや新たなスーパーの出店、個人の出店も続いており、地域の経済活性化やまちのにぎわい創出に繋がっています。宇宙産業をテーマにした観光振興や教育旅行の事業化、牧場の糞尿を活用したバイオメタンをロケット燃料に活用するエネルギー地産地消の取り組みなど、宇宙港の資源を活用した新たなビジネス創出やSDGsの取り組みも進んでいます。

団体・会社概要 北海道大樹町

代表者 :大樹町長 酒森 正人(さかもり まさと)
所在地 :北海道広尾郡大樹町東本通33番地
事業概要:人口5,390人の第一次産業が中心の町です。昭和59年の北海道大規模航空宇宙産業基地構想内で航空宇
宙基地の適地とされ、以降約40年にわたり宇宙のまちづくりを推進しています。令和2年に地域再生計
画「大樹町発!航空宇宙産業集積による地域創生推進計画」を策定し、北海道スペースポート整備によ
る宇宙版シリコンバレーの形成を目指しております。
Website:https://www.town.taiki.Hokkaido.jp

SPACE COTAN株式会社

代表者 :代表取締役社長兼CEO 小田切 義憲(おだぎり よしのり)
所在地 :北海道広尾郡大樹町字芽武183番地
事業概要:大樹町からの委任に基づくHOSPOプロジェクトの推進業務全般(スペースポートの管理運営、整備資
金調達支援、射場の設計、国の認定取得、国内外の顧客開拓、PR活動等)のほか、宇宙産業活性化に
向けた自主事業等を行っています。
Website:https://hokkaidospaceport.com

以上、プレスリリースより。
ごくごくまじめないいニュースなのですが、やっぱりスペースポートの地鎮祭というインパクトがすごいですよね。
このままだとスペースコロニーを作るときも地鎮祭をやりそうですね。
ガンダムも完成の際にはお酒をかけたりしたのでしょうか?
地鎮祭の目を奪われましたが、将来性のあるいいお話ですね。

関連するような記事
齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および
学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも
レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。
特選街web(https://tokusengai.com/)でカメラ関連および各種レビューを執筆。
焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。
PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。