カセットテープ デジタル化(MP3、WAV)コンバーターを使ってみた!
筆者の趣味の一つに、語学学習があります。しっかり身に付いたためしの有無はさておき、色々な文化を知ることができ、旅行の夢も膨らみ、大変楽しいものです。昔買った教材やもらった教材なども愛用する筆者にとっては、語学の友と言えば今でもしばしば「カセットテープ」です。
皆様の中にも、昔聞いていた音楽や語学のカセットをまだしまってある‥という方はいらっしゃるのではないでしょうか?
今回、長年愛用していた小さなラジカセが壊れたのをきっかけに、「カセットテープ デジタル化コンバーター」というもの(これがあれば、カセットテープをMP3等のデジタルデータにできる)を買ってみました。これが、安くて使いやすい、なかなかの優れモノだったので、以下、ご紹介してみたいと思います。
そもそもデジタル化コンバーターとは‥?
今回、筆者が買ったのは、こちらです。何と言ってもアマゾンで「ベストセラー」と出ていたので、大丈夫だろうと思い、こちらに決めました。
2020年最新版 ダイレクトカセットテープMP3変換プレーヤー カセットテープデジタル化コンバーター 2,499円(税込)
デジタル化コンバーターは、筆者がそうであったように、多くの方にとってあまり見慣れない商品なのではないかと思います。その大まかな機能や特徴は以下の通りです。
(今回購入したデジタル化コンバーターの概要)
- 本体をUSBケーブル(付属)でPCとつないで、カセットテープをMP3やWAVに変換できる
- 本体とイヤホン(付属)で、プレイヤーとしてカセットテープを聞くこともできる
- 変換には、有名なフリーソフトの「Audacity」ソフトウェアを使用している
- 基本はUSB給電で動くが、持ち運び時などは電池(別売)でも動作が可能
- Windows10はもちろん、XP、Vista、7、バージョン5以前のMacとも互換性がある
また逆に、これはできないので購入時に注意すべき(確認すべき)という点には、以下のものなどがあります。
(今回購入したデジタルコンバーターでできないこと)
- 変換・再生専用の機器なので、それ以外(録音など)は一切できない
- 本体にはスピーカーが無く、イヤホン(付属あり)やPCを通してはじめて音が聞ける
筆者は、カセットテープのプレイヤーとして持ち歩いて使うことは考えず、もっぱらデジタルへの変換機能だけを期待していたのでほとんど問題はありませんでしたが、検討されている用途によっては購入前に確認された方が良いかもしれません。
デジタル化コンバーターが来た!
いよいよ購入したカセットテープデジタル化コンバーターが来ました!パッケージを開封してみたところ、商品に含まれていたのは以下のものでした。
- コンバーター本体(=カセットテープが入るもの)
- 英語のみで書かれた基本マニュアル(下の写真ではCDの下)
- ソフトウェアインストール用のCD
- PCと本体を接続するためのUSBケーブル
- 5 mmジャックのイヤホン
デジタルコンバーターの使い方]
さて、ここから気になるであろう、デジタルコンバーターの使い方を説明します。これが、意外とそこまで込み入っていないのです!
初期設定
こういう複雑な物を買った時、最初に不安がよぎるのが初期設定作業ではないでしょうか。商品が到着して、最初にすることは次の通りです。
- パッケージ(箱)をあける
- PC(USB)と本体を付属のケーブルでつなぐ(自動で認識されます)
- ソフトウェアを2つインストールする(付属CDからでも、Webから直接ダウンロードでも可)
‥最大の難関はソフトウェアのインストールでしょうか。CDからなら問題ないのかもしれませんが、Webサイトは2つとも英語です(CDドライブがないPCでもWebからダウンロードできるのは良い点かもしれません)。以下は、Webからのインストール方法の説明です。
Audacityのインストール法
1.説明書最初のページに書いてあるサイト(http://www.audacityteam.org/)へ行き、下記のWindows用ダウンロードをクリック
2.上から4つ目の「▸」のところの「Audacity 2.4.2 installer(includes user manual)」をクリック
3.下のページになるので、下記の項目(Audacity Windows Installer)を選ぶ
4.~exeというファイルがダウンロードされるので、ダブルクリックで実行。ウィザードが立ち上がるので、最初に日本語を選び、あとは「次へ」を選んで行けばOKです
Lameのインストール法
1.説明書最初のページに書いてあるサイト(http://lame.buanzo.org/#lamewindl/)へ行き、ページを少し下へ行った下図赤丸のWindows用ダウンロードをクリック(※無関係の広告リンクも含まれています!同じ文字列でもやたらと踏まないよう注意して下さい!)
2. ~exeというファイルがダウンロードされるので、ダブルクリックで実行。ウィザードが立ち上がるので、「Next」を数回、最後に「Install」を選べばOKです
使い方(デジタル変換の方法)
初期設定が終わったら、いよいよ使い方です。再生プレイヤーとしての使い方は従来通り(再生、停止、早送り、巻戻しの各ボタン、ボリュームダイヤルなど)で、素直に使えば大丈夫なので、ここでは「デジタル変換」のやり方を書いていきたいと思います。基本的な変換操作の方法は、概ね次の通りでした。
- 準備
本体とPCをつなぎ、カセットテープを本体に入れる。付属ソフト「Audacity」をPCで立ち上げる。
- 録音
本体のPLAYスイッチを押す。すかさず「Audacity」の録音ボタンをクリックする(※本体とソフトのボタンにて、随時、停止/一時停止が可能)。
- 録音終わり
終わったら「Audacity」の停止ボタンをクリック。本体の停止ボタンでカセットテープを止める。
- ファイル出力
「Audacity」の「ファイル」「書き出し」「MP3(またはWAV)として書き出し」をクリック。出力先(デスクトップなど)やお好きなファイル名を入力。必要ならトラック名なども自由に入力。
以上で、無事、テープがデジタルファイル(今回はMP3ファイル)に変換されました。次に、変換されたデジタル音声を、聞いてみたいと思います。
変換されたデジタルファイルを再生してみた!
無事カセットテープの音声がデジタル化されたので、次に変換後のデータを調べ、実際にMP3の音声を聞いてみました。
変換されたファイルのサイズ(容量)は?
筆者のテストケースでは、とりあえず分割なしで両面計1時間30分ほどのテープ音声をMP3ファイルにしてみました(音質は「標準」にしました)。すると、ファイルの重さは57MBほどになりました。ご参考になれば幸いです。
音質は?
今回変換した音声は音楽ではなく語学教材で、そこまできれいな音にする必要性もなかったこともあり、はっきりと聞こえて、音量も十分で、ザワザワしたノイズもそこまでない変換後の音は、筆者にとってはそのままで十分満足のいくものでした。元々がカセットテープだったレベルの音を普通に聞く分には、特に手を加えなくてもいい音声になる、という気がします。
‥ただし、この辺りは、個々人の用途や目的などによって異なるところかもしれません。
ノイズ除去に関するあれこれ
筆者の場合あまり必要を感じなかったわけですが、録音した後、ノイズを除去する編集をAudacity上でできるそうです。もしも必要な場合は、「audacity ノイズ除去」などと検索すると、日本語の解説ページがたくさん出てくるようです。
また、ノイズについては、下記のようなコメントもアマゾンにありました。アマゾンのページへのリンクも再掲します。
※以下3行は、アマゾンのコメント欄より要旨を抜粋したものです
- 音声レベルの調整に戸惑いましたが、大きくした方がノイズを拾いにくい。
- 変換後ノイズが気になっても「Audacity」の「ノイズ軽減」を使えば消える。
- 他にもインパルスノイズを消す機能などがあり、後から編集できる。
ちょっとだけAudacityで編集をしてみた!
Audacityの機能全部はちょっとまだ‥というか全く使えませんが、せっかくなので、音楽でも語学でも使いたい機能の1つ、曲の頭出しをするための「曲の分割」をやってみました(編集は、録音後にソフト上でできます)。「Audacity 分割」と検索し、出てきたサイトいくつかを参考にしながらやりました。
曲ごとへ分割するやり方
- Audacityを立ち上げ、原曲のファイルを開く(コンバーター本体は必要ありません)
- Audacity上部中央やや右の「虫眼鏡+」を5~6回押して波形を拡大。見やすくする
- Audacityの再生ボタンを押して、曲を再生する
- 曲の切れ目が分かったら、波形の該当部をクリック(クリックで縦線が現れる)
- 「CTRL+B」で出てきた下部スペース端のハンドルを分割する部分全体に引っ張る
- 分割部分にラベル(番号や曲名、後から変更可能)を入力
- 全て分割したら「ファイル」「書き出し」「複数ファイルの書き出し」をクリック
- ファイルの分割基準は「ラベル」を選択し、書き出しをする
分割の反対の「曲の結合」やその他の編集操作も、検索して出てくる日本語サイトの指示通りにやれば、比較的簡単にできそうだと思いました。
Audacityに関しては、とにかく検索だと思います!
まとめ
最後に、もう一度、今回のカセットテープデジタル化コンバーターの「良かった点」と「やや気になった点」をまとめてみます。
(良かった点)
- 予想していたよりも簡単に使えた
- 古いカセットテープが、基本操作のみでも割としっかりした音質でMP3になった
- 大げさな機器でなく、比較的安く買える
- ソフトがフリーソフトでCDドライブがないPCでも使え、アップデートも無料
- ソフトが有名なもので、細かい使用法はWeb上に日本語でたくさん書かれている
(やや気になった点)
- 基本マニュアルは英語のみ(このページのような初期ガイドを読めば問題なし)
- ソフトウェアの細かい操作はマニュアルに書いてない
- 中国製ゆえに、商品の耐久性に不安が残る
筆者は念のため説明書を全部読みましたが、ソフトのインストール等の初期設定と、基本の変換操作しか載っていませんでした。
また、繰り返しになりますが、Audacityの使用法の詳細は検索すればたくさんの日本語解説ページがありますので、まず問題ないのでは‥と思います。
最後の商品の耐久性については、気になるところではあります。変換機として使う場合には何回も繰り返し使うわけではないので、実際気になるのはイヤホンを使ってカセットプレイヤーとして使う場合でしょうか‥?今後、また時間をおいて追記してみたいと思います。
終わりに‥
今回のカセットテープデジタル化コンバーター、筆者はなかなか良い買い物だったように思います。理由は、何よりも、「安くて割と簡単にデジタルファイルに変換できた」からです。
今後、筆者の昔の音楽や語学のテープも、少しずつデジタル化していこうと思います。懐かしい時間の流れを味わえるかと思うと、なんとも言えない気持ちになります。‥カセットテープ世代の大人(?)だけに許された贅沢な時間を、じっくり楽しみたいと思います。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
文責:福井利家(ふくい・としや)
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